実用的なケース検討を阻害するいくつかの事情
2022年12月1日
障害児者福祉サービス事業所から、人権擁護をテーマに研修講師の依頼がありました。あれこれとスピーチのプランを考えていて、思いついたのがチームで支援する場合の個別支援計画に前提になるケース検討の大切さを説明することにしました。実際には、配布するだけで「ご活用ください」と添えるだけになりそうです。でも、面白いので共有します。
1 ちょっと心配なケース検討会
① 発表者以外、ほぼ誰も語らないまま、検討会が終わる。 | □はい □いいえ |
② 意見や質問をすると仕返しを心配する。 | □はい □いいえ |
③ 発表者や参加者が情報を小出しにする。 | □はい □いいえ |
④ あまり質問や意見がなく、黙っている時間がある。 | □はい □いいえ |
⑤ 言いっ放し、聞きっぱなしが多い。 | □はい □いいえ |
⑥ 資料の体裁や字句の使い方をやたらに気にする。 | □はい □いいえ |
⑦ 職階上位の人の意見が優先される。 | □はい □いいえ |
⑧ 職員の人間関係が意見交換に反映される。 | □はい □いいえ |
⑨ 検討会で得た結論の吟味がされていない。 | □はい □いいえ |
⑩ 終了後や休憩中、トイレで意見交換をする。 | □はい □いいえ |
⑪ 最初に意見を言うのは、いつも決まった人だ。 | □はい □いいえ |
⑫ 検討会の発表者を引き受けるのに勇気が必要だ。 | □はい □いいえ |
⑬ 言ってはならないこと、触れてはならないことがある。 | □はい □いいえ |
⑭ 検討会の時間が限られて、途中で終わることがある。 | □はい □いいえ |
⑮ スーパーバイズと嫌味の違いがわからない。 | □はい □いいえ |
⑯ 恥ずかしいので「わからない」と言えない。 | □はい □いいえ |
⑰「私だけが知っている」というエピソードが好きだ。 | □はい □いいえ |
2 ケース検討会の正しい議論
① 出席者は、情報共有に心がけている。 | □はい □いいえ |
② 検討会の目標が明確になっている。 | □はい □いいえ |
③ 目標や予測(仮説)は事実に連続している。 | □はい □いいえ |
④ 参加者全員が検討会を有意義なことと感じている。 | □はい □いいえ |
3 有意義な個別支援計画・ケース検討
① 利用者の主体性を尊重し、代弁をしている。 | □はい □いいえ |
② 支援計画の目標は具体的で明確な言葉で表現されている。 | □はい □いいえ |
③ 支援計画の実施方法は具体的で誰でもわかる。 | □はい □いいえ |
④ 時々、支援計画の目標の達成段階を点検している。 | □はい □いいえ |
⑤ 支援計画は、目標を含め妥当な範囲で変更できる。 | □はい □いいえ |
⑥ 支援計画と目標は、スタッフ全員で共有している。 | □はい □いいえ |
⑦ 支援計画と目標でわからないことは何もない。 | □はい □いいえ |
思い付きの「あるある」を並べてみただけで特に権威のあるものではありません。それでも40年の経験で、チームが陥りやすいアナぼこを言葉にしてみました。チェックして、「いいえ」とか「はい」が何個以上なんて基準はありません。もしかしたら、ケース検討や個別支援計画の弱点を発見する手助けになるかもしれません。特にコピーライトを主張するものではありませんが、出典をお忘れなく。