思い付き

ウィルスはカオス理論??

仕事を離れるとお昼のテレビを見る機会が増えました。特に新型コロナウィルス感染症のことは、文字通り二六時中の報道が続いています。オーバーシュートとかロックダウンとカタカナで表現するのを批判する方もいるのですが、都市封鎖なんて過激な四文字熟語よりはずいぶんと気楽だと感じます(おしゃれとは思わないけど)。中でも「科学的根拠」を求めるコメンテーターが興味深いです。

 「科学的根拠」なんて誰も経験したことのない感染症に科学的根拠なんて説明できないのですよね。良識ある専門家の皆さんは、言葉を選んで「わかりません。」と答えているのです。「科学的根拠」を「説得力のある説明」と表現を替えると説明も楽になるのですが、「科学者、医者、専門家なんだから科学的根拠を・・。」と問い詰められても議論になりませんよね。

今日明日、明後日の距離なら、予報というよりも予言に近い85パーセントくらいの的中率ですが、5日後とか10日後になると的中率は極端に下がってしまいます。おおざっぱに暑いとか涼しいというのは、「ある程度」は的中していますが、実際にどの地点の何時にということになると信頼度は下がってしまいます。

天候は物理現象なので予測するのは、数学です。膨大なデータと緻密な係数を元に世界に誇る日本の技術の粋、スーパーコンピュータで計算して予報をしているのだと思います。「京(けい)」とか「富岳(ふがく)」ですね。このスーパーコンピュータを使っても数学の限界が生じるのが「カオス理論」なのです。

数学は苦手分野のひとつなので、薄っぺらな知識ですが、天気予報は空気中に浮かんでいる酸素・窒素や様々な空気以外の分子の偶然の振る舞いに左右されるのです。太陽や月の動きにも左右されるのでしょう。できる限りのデータを集めても、必ず限界がきちゃうものなのだそうです。ところが一方、「ある程度までは予想できる。」のですが、コンピュータの初期条件のデータや係数のわずかな違いで導き出される予想が違ってしまいます。同じデータと係数を使っても、再計算すると違ってくるということもあるようです(コンピュータが小数点以下何桁目を切り上げしたり切り下げすることで違うこともあるそうです。)。

新型コロナウィルス感染症の感染も物理現象なので、数学的には、カオス理論に相当する状態なのです。初期条件のわずかな違いで結果に大きな違いが生じてしまうため予測は不可能なのです。浅薄な知識なのでわかりにくいのですが、とにかくコロナウィルス感染症の今後の成り行きは、どんなに頑張っても、現代の科学では予測できないということ。そしてその対応に科学的根拠を求めるのは、科学に対する誤解、あるいは科学への信仰があるのじゃないでしょうか。

4月7日 鳥取県立鳥取緑風高等学校の入学式に出席しました。PTA会長なので、祝辞を伝えたのですが、同窓会顧問に「話が長い」と注意を受けました。申し訳ありませんでした。次の機会には原稿を書いてから登壇します。

いつから私たちは、科学を信仰するようになってしまったのでしょうね。私たちの身の回りには、科学で説明できないことはたくさんあります。科学で説明できないことは、説明できないというだけでオカルトだというようなことではありません。科学には哲学が必要です。哲学には科学が必要です。哲学のない科学は技術。科学のない哲学は宗教というのは言い過ぎでしょうか。コロナウィルス感染症のことは「わからない」から「少し分かってきた」になりつつあります。全人類が立ち向かっているこの戦いに勝利しましょう。

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