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和泉屋与兵衛の拠点決定一周年

子どもと施設のセミナー第2回を開催しました。

寒さに弱い人も寒さに強い人もお見えになりました。
この写真は、ご参加いただいた田中英至さんが撮影しました。

 和泉屋与兵衛子どもと施設のセミナー第2回を11月28日(土)に開催しました。遠方から会場に見えられた方の他、今回は里親さんや鳥取大学の学生さんも参加され、リモート参加が多かったです。

あちこちでお話してきた家庭も施設も超える「超施設」のことや、愛着についての考えを説明しました。子どもの立場でという他、ご参加いただいた里親さんや母子生活支援施設、障害児福祉施設、これからこの分野に向かうかもしれない学生さんの立場も考えたつもりです。

哲学のない科学は技術・・

最近、前後して「西井さんのお話は哲学だから・・」という何人かの方から評価をいただきました。最初の時には「そんな受け止め方か?」と多少怪訝に感じたのですが、相次いで複数の方から感想を聞いてしまいました。

「科学のない哲学は宗教、哲学のない科学は技術」と信じて生きてきたので、施設で子どもたちと接する仕事に哲学を持ち込まないと「ああすればこうなる、こうすればああなる」という子どもを操作する技術になってしまうのではと思います。私には「神様」とか「運命」という仮説がありませんからお話が哲学と言えないこともないと思います。

哲学は難解というイメージですが、施設の基本理念に「子どもの権利を護る」と書いてあったら、これが施設の哲学なのだと思っています。施設が施設として存在するだけで基本理念が実現できていると思ったら大間違いってことは、施設で働いている皆さんが一番よく知っていると思います。基本理念でも哲学でもそういう看板を掲げたらそのテーマに従って、全力を発揮しないと職業人として恥ずかしいことなんじゃないでしょうか。子どもに一番近い職員の皆さんは、基本理念に基づいて、子どもへの態度を決めなくてはならないのです。子どもの都合に係らずに決まり切った態度にして、全体に合わせる子どもを操作するってのが技術なんだと思います。

最大多数の最大幸福????

子どもの権利を護ることを議論する時に哲学者ベンサムの言葉を考えてしまいます。「最大多数の最大幸福」は功利主義というそうですが、子どもの権利条約も児童福祉法もその趣旨は、「個別の子どもの権利を護る」ことを前提にしています。ですから、集団のキマリが個別の子どもの権利を侵害する時に職員は葛藤しているはずなのです。つまり、これが哲学を基礎として自分の態度を決めているのです。障害児施設で働いている時に「みんな我慢しているから、あなたも我慢してください。」という言葉を聞きました。全体の利益の為に個別の利益は我慢しなさいって功利主義ですよね。

このように子どもの施設と哲学は、かけ離れた遠いことではなく、理念や哲学に基づいて、どのように態度するかという問いかけがなければ、施設の理念は美しい言葉で終わってしまうのです。

第3回は2021年1月23日 

お申し込みは、問合せページから http://izumiyayohei.org/?page_id=336

和泉屋与兵衛の拠点が決まって1年経ちました。

2019年8月末に退職して、拠点を探してあちこち空き家を覗いていた不審者でしたが知人の紹介を受けて、最初に覗いた空き家が現在の拠点でした。その時には家主さんが貸すつもりはなかったようですが、交渉を続けて11月に承諾をいただき、12月から貸していただいています。当時は、周辺にたくさんの廃材や壊れかけの倉庫があったりで拠点が決まったとは言っても、片付けをスタートしたということです。片付けとリフォームに4か月かかりましたから、実質、和泉屋与兵衛の1周年としては、2020年3月まで待たなければなりません。たくさんの方々に手伝っていただいて、片付けをしたことが遠い昔のような気がします。

今後も和泉屋与兵衛をよろしくお願いします。

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